20260412

ここのところ、午前4時、5時頃に眠る日が続いているのだけど、昨晩はより一層眠ることができなくて、気づいたら6時になっていた。目を開けると外が明るくなり始めていて、遠くでカラスが鳴いていた。
眠るときは、今日こそは早くに眠ろう、と決意していたのだが、床についた途端、胃を横隔膜に押し付けられるような鈍い痛みに襲われて、意識が落ちてくれなかった。みぞおちの辺りに文鎮が入ってるような感覚で、ずっと圧迫されていた。身体構造をわかってないので、胃と書いたけど、大腸かもしれない。でも、どちらだったとしても、そのときの僕には大した差がなく、ぼんやりとした肉体の檻だった。
寝返りをうち、何度かトイレに立ち、朝になると自動点灯する部屋の明かりがついたので消し、それでも痛んだ。なにか悪いものでも食べたかなと思い返してみたけど思い当たる節がない。昨晩食べたのは豚肉とピーマンの炒めものだったし、お昼もごはんとサラダチキンだけだ。賞味期限も切れてなかった。
仕方ないので、枕元に置いていた iPad mini を立ち上げて、audibleを起動し、言葉を延々聞くことで眠ることにした。僕が眠れないときによく使う手だった。高校や大学の授業中に眠くなるのと同じ原理で、オーディオブックはよく眠れる。脳をくすぐる程度の負荷をかけるのが大事なのかもしれない。
ナレーターを務める俳優さんの滑らかな声が、とぎれとぎれに耳に流れ込んでくる。パート7から再生したので物語は途中からだった。10代の頃の恋を引きずった主人公が20代後半になり、旅先で出会った女性と結婚するシーンから始まった。結婚した女性の父親は社長をしていてお金を持っていたから、主人公は仕事を辞め、その人から青山のビルを借りてジャズバーを開店する。ジャズバーが成功してお金を得て、BMWに乗ったりする。あまりにもトントン拍子で話は進む。主人公は学生運動をしていた世代の自分がこんなことでいいのか、と憂鬱になっていたけれど、なんて贅沢な悩みだろう。ものすごく恵まれているじゃないか、僕はお腹が痛いのに。そう思ってお腹に意識を向けたら、中にあった文鎮はビー玉くらい小さくなっていた。そのまま眠った。

午後。散髪してから、ドトールで作業を進めていたら、メールが届いていた。この間、同人の散文集に掲載される原稿を送ったのだが、それを読みました、という内容だった。相手の人柄を知っているから絶対に否定されることはないと知りながら、それでもいざ人から直接評価される段になると身構えてしまう。僕はそれなりにいいものを書いたつもりでいるけれど、他の人からみたときに必ずしもそうとは限らない。昔、中学校内の合唱コンクールの練習で、音程が合っているつもりで歌っていたのに「お前みたいに下手なやつ初めて見た」と言われたことがあり、そういう予期しないところで刺されるのが一番怖い。
メールの本文を読んだら、心配事は杞憂に終わり、とにかく褒めてくれていた。「きみはすごいな」と書いてくれていて、すごいものだったみたい。これから編集作業に入って、いつになるかはわからないが、いつか発売されることになると思う。たのしみ。